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カリスマ経営者が打ったホームラン。

『スターバックス再生物語』
ハワード・シュルツ+ジョアンヌ・ゴードン/徳間書店

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"父は怪我をしたあと、すぐに家に帰らされて、そのまま解雇された。そのときに、わたしがいつか別のやり方で会社を経営しようと思い立ったわけではない。ただ、両親に対する扱いは不当で、誰もがもっと敬意をもって扱われるべきだと強く感じた。"


今回は自伝系のビジネス書をひとつ。ご存じスターバックスのカリスマ創業者ハワード・シュルツが、業績不振に陥った同社の再生を情熱的に語った、通勤読書に最適な一冊です。
スタバによく行く人ならそれだけで楽しく読める内容ですが、
後半は新規プロジェクトの話題が続くためファンでなければちょっと飽きるかも?

 ただ、全ての面白い物語の定石通り、うまく回っていたはずの会社の歯車が少しずつ狂い始め、次第に加速度を増しておかしくなっていく経緯を描いた前半は、シュルツの独白と絡み合って読ませる内容。独白を追っていくだけで、彼が夢見た理想的な生活や社会、そしてその実現に向けひたすら前進する彼の飽くなき行動力を肌で感じることができる。

 最近、彼は『TIME』(July 2,2012)でCreate jobs for USA等の取り組みについて語っているが、全ての人が本当に自分らしい人生を送るために欠かせない条件であるjobに対する、
彼の眼差しは熱い。かつて、社会が両親に与えた扱いを「不当なもの」と感じた問題意識は、スターバックスがある世界においても、いまだ消えることなく熱く息吹いているようだ。
 
最上級のエスプレッソの香りと店舗という名の"劇場"で演じられるべきは、日々の生活を必死で生きた彼の両親のような、名もなき人の物語であっていいはずだ。(書店員T)


<荒波観測 キーワード抜粋>


「エスプレッソかい?」カウンターのなかの男性がわたしに向かって言った。
わたしはうなずいた。男性はわたしのために儀式を繰り返した。エスプレッソマシンがシューっと音を立ててうなった。男性は顔を上げて笑みを浮かべた。わたしは思った。これは仕事ではない。彼が情熱を傾けているものだ、と。

歯磨きのほかに、毎日、多くの人が習慣のように行っているのはなんだろうか。それはコーヒーを飲むことだ。

チーズのにおいがわたしたちの物語を台なしにしてしまったのだ。焦げたチーズのどこに魔法があるというのか。"

なによりも必要なのは情熱だ。それは多くの経営者が軽んじているものである。

大人になってカナーシー地区を出て行くことができる子はほとんどいなかったが、野球の球を高々と打ち上げ、アスファルトの校庭を走り、ホームインしたとき、あるいはわたしよりも大きく強く速い子たちをすり抜けてタッチダウンしたときは、すべてが可能になるような気がした。近所の子どもたちに勝つことは、誇りと将来への可能性を感じさせる数少ないチャンスだったので、わたしはいつも大胆に、大きくバットを振った。欲しかったのはホームランだった。

唯一大切な数字は"一"である。一杯のコーヒー、一人のパートナー、一人のお客様、一つの体験。わたしたちは一番大切なものに戻らなければならない。


『スターバックス再生物語』
ハワード・シュルツ+ジョアンヌ・ゴードン
出版社:徳間書店


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